指導者たちと、音楽家たちの時代遅れ

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マーケッターたちがよく言うらしいんだけど、「これからの時代は情報に価値がなくなり、体験に皆お金を払うようになる」って。音楽業界もこれは一緒で、情報(音源)にはみんなお金を払わないでしょう。なんでもyoutubeで無料で聴ける。だけど、フェスには行く。そこそこのお金を払って。フェスこそ音楽体験の極みだからね。

これ、ボイストレーニング業界も全く一緒。もう、どんな優れたボイストレーニング情報にも、価値がない。価値がないって言うと語弊があるけど、もうそれだけじゃお金を払わない。なんでかって、そこそこの情報が、youtubeや、ブログで、無料でうまく拾えてしまうから。

僕はこの1年間の「フースラーブーム」でそれを確信した。ボイトレオタクたちが、フースラーに目を向けると、解剖学的な知識、それから芸能学的な知識をどんどんと吸収していく。そこらへんのボイストレーナーじゃ叶わないくらい、発声を学術的に捉えられるボイトレオタクが、twitterにゴロゴロいる。誰に習ってるの?と聞くと「独学です!」とか答えてくる。

だから、もう、誰でも、優れたボイストレーニング情報をある程度たやすく手に入れられる。そういうフェーズに突入した。

もしボイストレーナーたちが「もっと優れた指導メソッドを探さないと、ご飯が食えない」と慌てているなら、見当はずれ、ということになる。もはや、みんな優れている。生徒たちも、アマチュアとは思えないほどの情報を、無料で手に入れられる。ご飯を食うために、何かしようというなら、メソッドを追いかけても、もう、本当に無駄なのだ。

「私のメソッドを勝手に拡散するな、これを構築するのに何十年かかったと思ってるんだ!」って思っている先生方もいそうだけど、でも、時代には逆らえない。構築するのに30年かかったメソッドも、今の時代じゃ、1年であっという間に拡散されて、1年の間に、うまくコピーする人間がどんどん増えてくる。すごい時代だ。どう乗りこなすか、考えてかないと、時代に食われてしまう。音楽家も、ボイストレーナーたちも、時代遅れになってしまう。

「ウーヌス」という構想

もう2年ほどずっと放っておいてる企画がある。続きものの、クワイアワークショップだ。自分で、全てプロデュースする、ワークショップ。お呼ばれするワークショップはたくさんあるのだけど。

ちなみに、今年の10月は、大好きな鎌倉でもワークショップをする。これは、お呼ばれするやつ。ありがとう。

 

今日の時点で、もう30名を超える予約が来ているそうで、嬉しい。三時間、好きなことをやっていいって言うもんだから、楽しみにでしょうがない。

「ウーヌス」。

さて、表題の「ウーヌス」について、なのだけれども。これは自分でプロデュースしたいと思っている、ワークショップ。「岩崎さんがひたすら好きなことをやるワークショップをやってください」なんてよく言われるのだけど、これがそれ。

内容はね、事前に資料、音源とかを全て配布して、もう、参加者みんなに思いっきり予習して来てもらう。そんなワークショップ。「当日、何を新しく学ぶのの?笑」っておそらく聞かれるくらい、とにかく予習して来てもらう。当日やることは、ひたすらに合わせる。で、「その場、その瞬間にしかない音楽を作り上げる」。これが大事。

クワイア音楽で大事なのは、ちょっとしたテクニックではない。もちろん教えるけど、あたり前のこと。誰が優れたテクニックを教えられるか、とか、そんなくだらないことで競争するのアホらしい。だから、もう事前に、僕が知っているテクニックとかは、家で予習して来てもらう。当日、それが実際できるかどうか、それも楽しいし、できたら、もっともっとその1曲を深めていく。集団音楽の強烈な沸騰した瞬間に、その場かぎりのメンバーで、突入したいんだ。

「それをやるなら、普通の、継続したチームにしたらいいんじゃないの?」と聞かれそうだけど、それじゃ意味がない。その日、一日限りのグループだから緊張感が生まれる。皆が奇跡に期待するだろう。それから、継続したチームにしたら、イザコザがあって面倒臭いだろう笑。

今年は今年こそは、と思っている。ワークショップのタイトルは「ウーヌス」。意味は,,,,。ググってみてね。

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ボイストレーナー、ボイストレーニングの行方

近頃、ボイストレーニング界の状況を見ていると、つくづく思う。正真正銘、誰でもボイストレーナーになれる時代になった。「誰でもボイストレーナー」というセリフは、「免許とか必要ないから、名刺さえ作れば君も今日からボイストレーナーだよ」なんていうブラックジョークとしてよく使っていたものだが、今はそれもちょっと意味合いが違う。

どういう意味か?「ネット上にも声に関する本当のいい情報がゴロゴロ転がっているから、本気で勉強すれば、本当に君も優秀なボイストレーナーになれる」,,,という意味だ。

これは今まではできなかった。優秀な教師は少ないながらこの世に存在していたが、世に大々的に発信することはなかった。が、時代が変わった。

マエストロたちが、本を出し、信者たちはそれを平気で拡散する。マエストロが本を出さなくても、弟子たちはレッスンで習ってきたことを、自分の言葉で、ブログに書いて、公開してしまう。マエストロたちが望んでいなくても、情報は拡散されてしまう。勝手に拡散するな、とマエストロたちが怒ったとしても、止めようがない。時代の流れなのだから。

だから、本当に、誰でも優秀なボイストレーナーになる。つまり、これから、ボイストレーニングの指導技術だけでは、ボイストレーナーが選ばれることがなくなる。

そしてきっと、ボイストレーナーだ、というだけでは食いっぱぐれる時が来る。30年もしたら、AI(人工知能)がボイストレーナーを務める時代が来るだろう。怖いが、僕は面白いと思う。ボイストレーニングと、ボイストレーナーの未来の行方を思うと、アイデアが色々と出てきて、ニヤニヤしてしまう。

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なぜ、高い声が出ないか

なぜ、高い声が出ないかについて。もしくは広く、高い声、について。

これはボイストレーニング界においては、ここ10年ほどで定説となってきているんだけど、輪状甲状筋,,,(我々は「前筋(ぜんきん)」と呼ぶ)という筋肉が、大いに関わっている。これがまず発声科学的な話。

この前筋という筋肉は、ノドの中、まあ厳密にいうと、喉の外側ではあるのだけども、ノドに組み込まれた筋肉。つまり、誰もが高い声を出すための筋肉を生まれつきにして持っている。

前筋が働くと、声帯が薄く引き延ばされる。声帯が薄く引き延ばされれば、輪ゴムとおんなじように、弦から「ピン」と高い音が生成される。だもので、この前筋という筋肉を使える状態にしてあげることが大事、ということになる。

前筋をどうやってトレーニングするか

これもボイストレーニング界では定説となっているが、前筋をトレーニングするには、とにもかくにも、裏声。裏声をとにかく出すこと。歌いなれていない成人男性などの「音痴問題」などはだいたい裏声のトレーニングをしっかりやってあげれば、それだけ改善したりもする。女性で、「そもそも裏声と地声がよくわからない」という人も多いが、その場合はとりあえずなんとなく裏声ってこんな感じ?というノリで、高い声を出しておけば良い。それで前筋はとりあえずは動くからだ。

 

ボイスカンファレンス

wordpressのテンプレート,,,何を使うか、ようやく決まった。前々から「岩崎ひろき」のホームページが欲しかったのだが、なかなかデザインが決まらず。最終的にタイポグラフィーが美しいものを選んだ。シンプルだし、いいでしょう。

8/5、8/6 ボイスカンファレンス神戸

写真は、先日のボイスカンファレンス神戸で担当したゴスペルワークショップ。ボイスカンファレンスは理学療法士の山本篤先生が主催された「声を多角的にみるイベント」。僕はゴスペルディレクターとして、ワークショップを担当。

参加してくれた仲間の音楽家、角田紘之が、「ゴスペル“ディレクター“の意味がわかった。“先生“じゃないんだね」と言ってくれた。それが嬉しかった。ディレクターは教師じゃない。教育目線でコーラスを指導するのと、ディレクター目線でコーラスを指導するのでは、180度やり方が違う時がある。ディレクターはどこまでもわがままなのが、いいと思っている。